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快天BOOKS

2024.05.05 Sun 
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2011.07.19 Tue  評論

吉本隆明/共同幻想論吉本隆明/共同幻想論

評価:★★☆☆☆
出版社:角川書店(角川ソフィア文庫)

「共同幻想」という概念をひたすら当て嵌めていくことに固執し、もちろんそれはある側面では正確なのかも知れないが、その概念一つで全てが丸く収まるわけがない。例えば「遠野物語」や「古事記」を元に展開する民俗学批評も、それを言ったら身も蓋もないんじゃないか、ということを「共同幻想」で蔑ろにする姿勢はどうかと思う。

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2011.01.22 Sat  評論

吉川尚宏/ガラパゴス化する日本吉川尚宏/ガラパゴス化する日本

評価:★☆☆☆☆
出版社:講談社(講談社現代新書)

データの比較が下手過ぎるのと、具体性を帯びない論考のせいで、「ガラパゴス化」が全くイメージできない。勝手な偏見と推論の後、突拍子もない結論へと辿り着くまで、笑いを噛み殺すのを我慢しなければならない。

2010.10.26 Tue  評論

鈴木謙介/カーニヴァル化する社会鈴木謙介/カーニヴァル化する社会

評価:★☆☆☆☆
出版社:講談社(講談社現代新書)

章ごとの関連性の弱さ、援用に頼った理論展開。結局「カーニヴァル化する社会」とは何か、どういった問題を提起し結論付けたいのか、論旨の縦糸・横糸のどちらも定まっていないので、内容の薄い評論となっている。私たちの生活と直結する社会学を語るには、経験の浅い著者なのだろうなと思う。

2010.06.12 Sat  評論

大塚英志/定本 物語消費論

評価:★★☆☆☆
出版社:角川書店(角川文庫)

「ビックリマンシール」をポストモダンの出発点にするのはいささか的外れな気もするが、「物語マーケティング」に関する指摘は現在のケータイ小説文化や、過剰なメディアミックスを予言しているようにも思える。民俗学的に都市伝説を考察する視点は面白いが、若き大塚の思想のブレも見えてくる。

2010.02.07 Sun  評論
東浩紀/ゲーム的リアリズムの誕生―動物化するポストモダン2東浩紀/ゲーム的リアリズムの誕生―動物化するポストモダン2

評価:★★★☆☆
出版社:講談社(講談社現代新書

前著「動物化するポストモダン」の理論を下敷きにした物語論、とりわけライトノベルとノベルゲームの批評が行われているのだが、なんだか嘘臭い感じがする。「ゲーム的リアリズム」などの新たに名付けられたいくつかの読解は、自然主義文学より低俗な(と一般的に認識されている)物語を批評の領域に押し上げるためのエクスキューズにも見えてくる。東はサブカルチャーに近い場所に長居し過ぎてしまっていて、決してその本質を暴いたわけではないし、ポストモダン文学の指標にはなったとしても、肝心な批評は今後も体系づけられないのではないかと思う。

関連:東浩紀/動物化するポストモダン―オタクから見た日本社会