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快天BOOKS

2024.05.05 Sun 
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2011.10.30 Sun  エッセイ
森山大道/遠野物語森山大道/遠野物語

評価:★★★☆☆
出版社:光文社(光文社文庫)

森山が撮ると民俗学の象徴とも言える遠野ですら「都市」になってしまう気がする。「ふるさと」無き彼が遠野に拘る理由はわからなくはないが、「ふるさと」無き視点が森山の写真の根源であると思うので、いささかコンフリクトな印象がある。

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2011.10.30 Sun  エッセイ
谷崎潤一郎/陰翳礼讃谷崎潤一郎/陰翳礼讃

評価:★★★☆☆
出版社:中央公論社(中公文庫)

昭和初期の日本ですら谷崎が追い求めた「陰翳」が失われつつあるというのに、現代ではもはや何処にも見当たらず、まさに「陰って(翳って)」しまったというのも皮肉な話ではないか。節電ブームの現代において、本質的な解答を示してくれているような気がする。

 
2011.07.12 Tue  エッセイ

村上龍/無趣味のすすめ村上龍/無趣味のすすめ

評価:★★★☆☆
出版社:幻冬舎(幻冬舎文庫)

村上龍の文章スタイルは、物事をひたすら観察し、正確な描写を重ねるといった方法論を採っている。それはエッセイでも共通していて、あらゆる事象を正面から凝視し、身も蓋もないくらい徹底的にメスを入れていく。それによって誰もが納得していない事実の本質を暴き、それでもサヴァイヴしていくノウハウを提示してくれる。

2010.08.21 Sat  エッセイ

荒木陽子・荒木経惟/東京日和荒木陽子・荒木経惟/東京日和

評価:★★★☆☆
出版社:ポプラ社(ポプラ文庫)

荒木の妻に対する至上の愛は、尊敬に値するものだと思う。むしろ、こっちが恥ずかしくなるくらい、夫婦は夫婦以上の関係としてある。荒木は喪失感を写真に込めたわけではない。死んだ妻との濃密なまでの対話を、写真を通して試みる。その純粋な感情がひしひしと伝わって胸が痛くなってくる。

2009.03.28 Sat  エッセイ
Auster, Paul/トゥルー・ストーリーズオースター/トゥルー・ストーリーズ

評価:★★★★☆
訳:柴田元幸
出版社:新潮社(新潮文庫)

もはやエッセイというより、良質な物語になっている。作家本人が体験したエピソードは、小説として成立するくらい奇妙な偶然に満ち溢れている。なおかつ彼のエレガントな構築や文体はそのままなので、オースター自身がキャラクター化してしまうように思う。「事実は小説より奇なり」という言葉がこれほど似合う作家も珍しい。