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快天BOOKS

2024.05.06 Mon 
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2011.01.16 Sun  ノンフィクション

斎藤充功/ルポ 出所者の現実斎藤充功/ルポ 出所者の現実

評価:★★★☆☆
出版社:平凡社(平凡社新書)

事件そのものや、刑務所内での受刑者についてのルポルタージュは多いが、出所した後の元・受刑者にはあまりスポットが当たらない。出所後の生活保障(住居や仕事など)がないのは仕方がないが、そのせいで再び罪を犯すという負のスパイラルが起こる。刑務所という場所が贖罪の施設なのは当然だが、単に自由を奪うだけか、社会復帰を目指すか、という目的が明確ではないせいだろう。

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2011.01.12 Wed  ノンフィクション

鈴木伸元/加害者家族鈴木伸元/加害者家族

評価:★★★★☆
出版社:幻冬舎(幻冬舎新書)

罪を犯した者の家族が社会的制裁を受けてしまうのは理不尽だと思う反面、どこか当然のような気もするので、中立的な立場で論じにくいところだが、真摯な視点で書かれている。過剰なマスコミ報道によるプライバシーの侵害や、下らない大衆からの誹謗中傷まで、彼らは背負わなければならないのだろうか。そこでは日本社会全体の異常性が浮き彫りにされる。

2009.03.28 Sat  ノンフィクション
Singh, Simon Lehna/暗号解読シン/暗号解読

評価:★★★☆☆
訳:青木薫
出版社:新潮社(新潮文庫)

「暗号」という言葉には誰もが心躍らされるのではないか。謎めいた文字列を論理的に分析し、時にはひらめきによって解読される過程は非常にスリリングなものだ。正確な資料とインタビューがあり、作成者と解読者のドラマチックな人間模様まで描かれ、「暗号」の歴史が紐解かれる。シンの研ぎ澄まされた文章センスによって、それは壮大なサーガとなっている。
2009.02.20 Fri  ノンフィクション
Singh, Simon Lehna/フェルマーの最終定理シン/フェルマーの最終定理

評価:★★★★★
訳:青木薫
出版社:新潮社(新潮文庫)

サイモン・シンの丁寧な文体による部分も大きいが、数学・数論の美しさがこのドキュメントをドラマチックなものにしている。様々な数学者たちの試行錯誤が一つ一つの証明を生み、最終的に大きな難題を解いていくという壮大な歴史は感動的だ。数学に興味がない読者にもわかりやすく書かれており、むしろ大きな関心を抱かせるだろう。ただの数字だと思っていたものが輝きを放つほどに、意味深い読後感だった。