[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
吉川尚宏/ガラパゴス化する日本
評価:★☆☆☆☆
出版社:講談社(講談社現代新書)
データの比較が下手過ぎるのと、具体性を帯びない論考のせいで、「ガラパゴス化」が全くイメージできない。勝手な偏見と推論の後、突拍子もない結論へと辿り着くまで、笑いを噛み殺すのを我慢しなければならない。
斎藤充功/ルポ 出所者の現実
評価:★★★☆☆
出版社:平凡社(平凡社新書)
事件そのものや、刑務所内での受刑者についてのルポルタージュは多いが、出所した後の元・受刑者にはあまりスポットが当たらない。出所後の生活保障(住居や仕事など)がないのは仕方がないが、そのせいで再び罪を犯すという負のスパイラルが起こる。刑務所という場所が贖罪の施設なのは当然だが、単に自由を奪うだけか、社会復帰を目指すか、という目的が明確ではないせいだろう。
鈴木伸元/加害者家族
評価:★★★★☆
出版社:幻冬舎(幻冬舎新書)
罪を犯した者の家族が社会的制裁を受けてしまうのは理不尽だと思う反面、どこか当然のような気もするので、中立的な立場で論じにくいところだが、真摯な視点で書かれている。過剰なマスコミ報道によるプライバシーの侵害や、下らない大衆からの誹謗中傷まで、彼らは背負わなければならないのだろうか。そこでは日本社会全体の異常性が浮き彫りにされる。
エリオット/荒地
評価:★★☆☆☆
訳:岩崎宗治
出版社:岩波書店(岩波文庫)
そもそもエリオットの詩は難解だが、膨大な注釈(文庫本の三分の二を占める)のせいで、より小難しく思えてくる。ダンテやシェイクスピア、ボードレールなどの引用・隠喩が散りばめられているので、そういった予備知識も必須となる。そこに詩の究極的な文学性を見出すか、ただ不親切さ・難解さを感じるかはそれぞれだが、少なくとも力強い言葉ではある。
万城目学/鹿男あをによし
評価:★★★★☆
出版社:幻冬舎(幻冬舎文庫)
デビュー作「鴨川ホルモー」も同様だが、歴史的な土台のある場所で、現実と非現実が交錯するファンタジーを書かせたら、万城目ワールドとでも呼べる独特な個性が浮かび上がってくる。展開が一足先に読めてしまうので、中盤あたりから回りくどくなってくるが、全体としてすんなり纏まっている。