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鈴木謙介/カーニヴァル化する社会
評価:★☆☆☆☆
出版社:講談社(講談社現代新書)
章ごとの関連性の弱さ、援用に頼った理論展開。結局「カーニヴァル化する社会」とは何か、どういった問題を提起し結論付けたいのか、論旨の縦糸・横糸のどちらも定まっていないので、内容の薄い評論となっている。私たちの生活と直結する社会学を語るには、経験の浅い著者なのだろうなと思う。
川上未映子/乳と卵
評価:★★☆☆☆
出版社:文藝春秋(文春文庫)
川上の汚らしい関西弁の根本には、ボキャブラリーの決定的な欠如と基礎となる文法への無知があることに気付いた。今作に限っては物語の流れとして割と上手く作用していたように思うが、芸術性で誤魔化しきれるものではない。極端な女性性から生まれたテーマは評価しておく。
万城目学/鴨川ホルモー
江戸川乱歩/江戸川乱歩ベストセレクション⑦孤島の鬼
評価:★★★★★
出版社:角川書店(角川ホラー文庫)
「ミステリの集大成」とも言えるほどに完成された物語である。ポオを始めとした様々なミステリのアイデアを乱歩流にアレンジして繋ぎ合わせ、なおかつ乱歩独自のグロテスクさや推理劇の巧妙さが加わって、目まぐるしい展開にどんどん巻き込まれていく。
本谷有希子/乱暴と待機
評価:★★★☆☆
出版社:メディアファクトリー(MF文庫ダ・ヴィンチ)
異常な「兄妹」の生活は二人だけで完結していて、同僚のカップルと同じく読者ですら入り込む余地がない。彼らの愛憎も想像しにくいし、ハッピーエンドらしいラストに感動も出来ない。だが、こういう文学が秘めている現代の精神性というのは理解できるし、衝撃的でもある。