村上龍/ライン
評価:
★★★★☆
出版社:幻冬舎(幻冬舎文庫)
ケーブルやラインの上を流れる情報を無意識的に感じる女・ユウコを軸として、登場人物がリレーのように交錯する。現代社会を生きる男女は、世界の閉塞感の中でもがいている。人間はラインのように繋がっていて、読者もそのライン上にいるわけだ。この小説に登場する人々は、コミュニケーションをしている。それは単純に会話だけじゃない。セックスであったり、暴力であったりする。他人とのラインのないユウコだけが、コミュニケーションをしていなくて、それは多分幸せなことであったりする。後味は悪い。けれど、真実でしかない。
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