村上龍/コインロッカー・ベイビーズ
評価:
★★★★★
出版社:講談社(講談社文庫)
間違いなく村上龍の最高傑作である。この作品は「破壊のエネルギー」に満ちている。コインロッカーというのは現代社会の縮図だ。我々は社会に逆らい、壊し、唾を吐きかけなければならない。そうすれば我々は心臓の音を聞くことができる。「生」というものに気付く。消費は生産と同義で、創造は破壊と同義であることがわかるだろう。作中に「ダチュラ」という言葉が出てくる。その意味は読んでもらえば分かるが、この作品を読んだ後、とにかくずっと「ダチュラ」という言葉を呟き続けていた。
PR