村上春樹/海辺のカフカ
評価:
★★★☆☆
出版社:新潮社(新潮文庫)
カフカ少年の日々と、ナカタさんの謎に満ちた旅が交錯して描かれ、ミステリアスで抽象的な物語が紡がれていく。物語の最後で「この世界はメタファーだ」という発言もあるように、村上の作品は押しなべて「メタファー」に満ちている。そういった文体・物語構成には飽き飽きするが、この作品に限っては「メタファー」以外の文章は有り得ないのかも知れない。多少強引な方法でありながらも「成長」を「メタファー」によって描くことで、読者に物語の「メタファー」性を示しているようにも思う。
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