三崎亜記/となり町戦争
評価:
★★☆☆☆
出版社:集英社(集英社文庫)
主人公の知らないところで「戦争」はひっそりと始まり、ひっそりと終わる。まるで隣のテーブルで行われているゲームを、その内容もルールも知らないまま傍観するような視点で、この物語は「戦争」と「日常」を描いている。リアルな「戦争」の描写がない分、まるで映画やニュースの中にしかない「戦争」のようで、明確なイメージは出来ず、それはあまり好ましくない。設定自体は面白く、村上春樹的な文体にうすら寒さを覚えることもなかったが、この物語を許容することは生理的に無理そうだ。
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