高橋源一郎/さようなら、ギャングたち
評価:
★★★★★
出版社:講談社(講談社文芸文庫)
小説と詩の境界線に位置する「小説」である。こういう作品が読みたかった。たぶん多くの人にとっては意味がわからない小説になっている。吸血鬼とか木星人とか冷蔵庫に変身してしまったヴェルギリウスなどが登場し、シュールなセリフを吐く。普通の思考では読めないだろう。ある一定の感性と想像力が不可欠だ。作者は一度、失語症に陥ったことから言葉を根源的に紡いでいる。好きな人はとことん好き、それ以外の人にとっては決定的に意味のない小説だろう。
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