大槻ケンヂ/リンダリンダラバーソール―いかす!バンドブーム天国
評価:
★★★☆☆
出版社:
メディアファクトリー(ダ・ヴィンチ・ブックス)
バンド・ブームの隆盛から衰退をエッセイ色の濃い文体で書いた私小説。自分の心象を表現する際に話し言葉をよく使う、というタイプの文章はどうもよろしくない。そういう文章形式は、作家の素の部分が見られるという点では面白いと思うが、小説の要素としては非常にウザイ。とはいえ、当時の空気感であったり、ブームに翻弄されたバンドマンたちの生き様とか哀愁みたいなものは伝わってくる。「夢」と「現実」の板挟みの中で、ときに昂揚し、ときに苦しみ、色んなことに気付いていく過程というのがあって、そういうのがありありと表れているように思う。
PR