コエーリョ/ベロニカは死ぬことにした
評価:
★★★★☆
訳:江口研一
出版社:角川書店(角川文庫)
重度の心臓病と診断され、あと一週間しか生きられないと知らされたベロニカ。限られた命の中で、彼女は自分らしく生きる方法を模索するようになる。精神病院という舞台設定によって、何が普通で、何が異常かという認識を根底から問い直すことになっている。重厚なテーマが感動的なストーリーによって彩られていく。「常識」や「普通」という認識に多くの人が縛られていて、そこから外れる一人の人間を、残りの人間は「異常」として見てしまう。この物語では、そういう「普通」の「異常性」を暴いてもいる。だからこそ、リアルに読者に伝わるのではないか。
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