森見登美彦/四畳半神話大系
評価:
★★★☆☆
出版社:角川書店(角川文庫)
四つのエピソードから成るこの物語は、それぞれのエピソードが一つの大きなファンタジー(あるいはSF) を作り上げるという手間の掛かった作品である。ある時点での選択が様々な可能性を導く。しかし、主人公と悪友・小津は必ず出会い、ヒロイン・明石さんとは必ず恋に落ちるという運命自体は変わらない。全く同じ文章が各話の随所に登場するので読み飽きてしまうが、それがトリックだと気付く瞬間は感動的。細かな小道具を上手く貼り合わせ、古風だがコミカルな文体で楽しませてくれる。
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